研究内容
当研究室では「地球と人間」そして「うるおいと豊かさ」を標語として掲げています。
安全性、利便性、快適性、景観性に配慮した活力ある社会の発展に柔軟に順応し、静的および動的かつ、短・中・長期的である広範な視点に基づき、
種々の構造物について規範の概念に縛られることなく、そのデザインと力学にかかわる研究を行っています。
橋梁における健全性評価と基盤技術開発
三次元構造物載荷装置
当研究室では社会基盤施設の合理的設計法、長寿命化技術、低環境負荷技術の確立を目指しています。
都市再生を支える基盤技術として橋梁に着目し、鋼材の腐食損傷ならびに疲労損傷に対する健全性評価法や寿命予測手法を対象としています。
損傷制御構造に着目した地震に対する減災技術、センシング・モニタリングシステムなどの構築に関して研究しています。
鋼・複合構造物の力学性状の解明と合理的な設計法の構築
鋼製ラーメン構造の載荷試験と数値解析
鋼・複合構造物の力学性状を載荷実験や数値シミュレーションにより解明するとともに合理的な設計法の構築をおこなっています。
さらに、近年盛んに建設がおこなわれている鋼とコンクリートの複合構造である波形鋼板PCウェブ橋や任意方向から水平力を受ける鋼・複合構造物の力学性状の解明に取り組んでいます。
鋼構造物の腐食を対象とした維持管理に関する研究も行っています。
土木構造物への高性能鋼材、FRP材料の適用
GFRP製歩道橋
FRP(繊維強化ポリマー)は、軽量性や耐候性などの特性を有している材料です。
その優れた性質から,飛来塩の多い海に囲まれた離島の建造物や水門、管理橋といった厳しい腐食環境下の構造物に使用されています。
コンクリートや鋼材などに加え、FRPなどを用いたハイブリッド構造による合理化も試みています。
右図は三重県四日市市で実際に建設されている「玄若橋」というFRPトラス側道歩道橋です。
ソーラーアップドラフト発電施設の洋上構築法
洋上発電施設のイメージ
安定的に発電可能な太陽熱と風力のハイブリッド発電手法として、ソーラーアップドラフトタワー発電が注目されています。
この発電方式では,巨大な温室(熱収集部)の中心部に煙突を設置し,大気上層部との空気の温度差により発生させた上昇気流でタービンを回転させる方式です。
この発電施設は広大な敷地と豊富な太陽光を必要とします。そのため、日本の広大な海洋空間を活用し、200MWの発電が可能な高さ1000mの煙突、直径7kmの熱収集部を浮体構造として設計するコンセプトを検証しています。
煙突構造の自重低減・長期耐久性、熱収集部の合理的な構造の提案に向けて研究を進めています。